在日本朝鮮文学芸術家同盟

〈盧相鉉ピアノコンサート〉45年間の集大成披露

《朝鮮新報》 2013.06.10

45周年の集大成を披露した

45周年の集大成を披露した

盧相鉉ピアノコンサート―朝鮮大学校教育学部音楽科と共に45年―が8日、東京・銀座の王子ホールで行われた。

1969年から朝鮮大学校教育学部音楽科で教べんを執り、今年の3月に退任した盧相鉉元教授(現在は同科非常勤講師)。公演では、約279人の知人や弟子たちに見守られる中、渾身の演奏で45年間の集大成を披露した。

第1部では盧さんによる独奏で、「ヌンスポドゥル」、「夢の中で聞いた歌」「ピアノのための散調」など、お気に入りの名曲や弟子が創作した曲など、思い入れのある作品が演奏された。

2部では、金剛山歌劇団バリトン歌手の柳展鉉さん、金剛山歌劇団打楽器。コムンゴ奏者の河栄守さん、武蔵野音楽大学楽器博物館の守重信朗主任学芸員(ビオラ演奏)、ソプラノ歌手の千恵Lee Sadayamaさん(藤原歌劇団)、ピアニストの高紅実さんが共演し、盧さんの晴れ舞台に花を添えた。

教え子である高紅実さんとの共演

教え子である高紅実さんとの共演

独唱「つばき」、チャンゴとピアノ「ノンアッカラッ」、独唱「ああ白頭山」、ピアノ2重奏「朝鮮は一つ」などを披露。演目の間にトークも交えながら、終始和やかな雰囲気の中で行われた。 神戸朝鮮高級学校時代、2学年先輩だった盧さんと約40年来の中だという柳展鉉さん。学生時代は朝早くから学校でピアノを弾く盧さんの姿が今でも印象深く残っているという。在日朝鮮人運動の中で、優秀な音楽教育者、芸術家を育てあげた盧さんの功労を称えながら、「記念すべき舞台で共演できることに感謝したい。今後もさらなる活躍を期待している」と話した。

公演を鑑賞しに大阪市から駆けつけた高裕恵さん(在日朝鮮学生ピアノコンクール近畿地方審査委員長)は、盧さんとは師弟関係でもあるという。「今まで盧さんの演奏は何度も聴いてきたが、45年間の感謝の気持ちを全身で表現しているようで、ジーンとした。機会があれば次は私も共演したい」と感想を述べた。

人材育成のみならず、ピアノ協奏曲「朝鮮は一つ」を日本で初めて披露した盧さんは、「朝鮮ピアノ曲集(1~4巻)」の出版、在日朝鮮学生ピアノコンクール、アリランピアノコンクールの発起、開催など、日本で朝鮮音楽を普及する上でも多くの功績を残してきた。盧さんは、「今日まで自分の活動を続けることができたのも、大学時代の恩師、同僚、そして多くの人々がいつも温かく見守ってくれたおかげだ。今後も、音楽を通じて同胞コミュニティーの発展に貢献していきたい」と話した。

(尹梨奈)

目次