「創作活動に偉大な足跡を刻む」/画家の朴正文氏がバイヤーズ・ガイドジャパンにて3年連続受賞

《朝鮮新報》2020.05.21

朝鮮民主主義人民共和国功勲芸術家で画家の朴正文さん(文芸同中央委員、新極美術協会副会長・審査委員)の作品が、世界に向けた画廊と芸術家のための年鑑「バイヤーズ・ガイド2020」にて表彰され、21世紀国際派アーティスト「ル・メイユール〈最高峰〉芸術賞」を受賞した。

バイヤーズガイド2020で朴正文さんの絵が表彰された

表彰された作品は、油彩画「高麗三神仏の舞―願い」。本作品は、朴正文さんが以前に金剛山歌劇団の公演で観覧した群舞「高麗三神仏の舞」にフィーリングを受けて描いたという。

今回の受賞を含め、3年連続のバイヤーズ・ガイドジャパン受賞者となったほか、2018年には21世紀国際派アーティスト・エピスリィアステリオン「高位の星」称号を、2019年にはエランドール「黄金の翼」芸術賞を受賞しており、在日同胞画家としては初となる。日本の美術界においても3年連続受賞は奥谷博をはじめとした、日本を代表する3人の画家のみという。

今回の受賞について朴正文さんは「民族を語った絵が表彰されたことで、自身が歩んできた道の正当性を証明できたようだ」と感想を述べた。そのうえで「在日同胞の画家をはじめとする後輩たちの道標になれたら幸いだ」と話した。

東京第5初中で美術教員を務める金聖蘭さんは「朴正文先生の受賞は、私たち後輩に在日としての立ち位置で臆する事なく創作していく励みを与えてくれた」と語った。そのうえで「日本の美術界においても常に在日としての視点を持って活動される朴先生。東アジアの子供たちの合同作品を展示する機会をいただく等、後輩たちがのびのびと表現できる場を設けてくれる」と熱く語った。

また、美術評論家の秋田信博氏は「芸術院会員で八面六臂の活躍をしている奥谷博、絹谷幸二、中山忠彦に、在日二世として声望を高め、肩を並べることに至った朴画伯は、…創作活動に偉大な足跡を刻む」と、彼の功労について高く評価した。

2015年に日本軍性奴隷制被害者を描いた油彩画「踏みにじられた鳳仙花」が朝鮮の国家美術展功労賞を、2019年には南朝鮮の韓国美術協会で功績が認められ、協会初の「海外特別功労賞」を受賞した朴正文さん。

朴さんは「北南朝鮮、そして日本で活躍できることが、自身をスキルアップさせる糧となっている」としながら「その糧をひとつひとつ蓄積し、これからも矜持をもって後輩らの可能性を開いてあげたい」と強く語った。

(金紗栄)

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