「発展ぶりに驚き」「これが真の姿」/伊藤孝司写真展「平壌の人びと」京都展

「発展ぶりに驚き」「これが真の姿」/伊藤孝司写真展「平壌の人びと」京都展

《朝鮮新報》2021.12.03

京都展には4日間で約500人が来場した(23日)

フォトジャーナリスト・伊藤孝司さんの写真展「平壌の人びと」の京都展が11月20日~23日に京都中高内特設会場で行われた。同胞や日本市民、京都中高生徒や教職員ら約500人が訪れ、盛況を博した。

写真展は三重(8月5~8日,津リージョンプラザ)、東京(8月24日~9月5日)につづき、3回目。会場には、1992年から43回にわたり訪朝し日本による植民地支配の被害者たちを精力取材してきた伊藤さんが、タイトルの通り「平壌の人びと」をテーマに厳選した作品100点が展示された。

農場や工場で労働に勤しむ人々や生まれたばかりのわが子を抱く母親、祝日を祝う市民たち、結婚式場で幸せに満ちた表情を見せる若者たち…。日本では報じられない、朝鮮の市民らのありのままの姿を移した写真の数々を、来場者らは食い入るように見つめていた。

作品を見つめる来場者たち

1984年から2015年まで4回の訪朝経験があるという楠本雅章さん(73)は奈良県から足を運んだ。「平壌の発展ぶりに驚いた。自分が初めて朝鮮に行った頃は車の数もまばらだったが、今では渋滞が起こっている。丁寧な取材で撮りためた写真の数々はどれも説得力があり、大きな感銘を受けた」。

展覧会最終日、京都中高に通う自身の子どもとともに会場に訪れた呂英華さん(44)は「市民たちの明るい表情、朗らかな笑顔がとても印象的だった。朝鮮の人びと生活が身近に感じられた」とし「自分もウリハッキョを卒業したが、日本のメディアが垂れ流す一方的な情報に影響を受けていたと思う。軍事や政治ではなく、写真展で見た市民の姿がウリナラの真の姿。もっと多くの人に見てもらいたいと思える展示会だった」と感想を述べた。

伊藤さん本人によるギャラリートークも好評だった(23日)

会期中には伊藤さんが直接会場を訪れ、ギャラリートークを行った。また、最終日には京都中高公開授業に参加していた同胞や日本市民らを対象に講演会を開催したほか、22日には京都初級と京都第2初級の児童らを前に講演を行った。

写真展は11月26日~12月2日まで愛知・名古屋国際センターでも開催され、盛況を博した。伊藤さんによると来年も埼玉をはじめとした日本各地での開催を予定しており、開催依頼も積極的に受け付けているという。

(丁用根)

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