在日本朝鮮文学芸術家同盟

綜合文化公演「私達の教室は」/留学同兵庫

《朝鮮新報》2022.04.08

朝鮮人としての生き方を追求

留学同兵庫による綜合文化公演「私達の教室は」が3月20日、兵庫県神戸市内の会場で行われた。同胞、日本市民ら約150人が観覧、28人の同胞学生が出演した。

留学同兵庫による3回目の単独公演となる本公演は、民族教育・朝鮮学校の持つ真の意義とは何かを改めて考える内容で構成された。

留学同兵庫による綜合文化公演「私達の教室は」

青年の葛藤と決意描く

公演は4.24阪神教育闘争など解放直後の朝鮮学校弾圧を記録した映像をバックに、サムルノリのステージで幕を開け、故・許南麒詩人の「子どもたちよ、これが私たちの学校だ(아이들아 이것이 우리 학교다)」朝鮮語朗読、演劇へと繋がっていった。

演劇の舞台の一つは1956年。総聯結成の翌年であり朝鮮から教育援助費と奨学金が送られる前年の年だ。ある夜間中学で教える大学生「忠決」は自身が朝鮮人であることを隠していた。同じく朝鮮人であることを隠している中学生「起未」と、48年の学校閉鎖令、49年の第二次学校閉鎖令によって奪われた朝鮮学校を再建しようと奮闘する青年「香朝」の3人が朝鮮学校と民族教育の意義を探していく。

舞台は現在にも焦点が当てられる。留学同所属の同胞学生たちは民族教育の現状を知らせるためニュースで関連特集を組ませるため奮闘する。しかしそれぞれがインタビューで勝手なことを話し、放送された特集は民族教育や朝鮮学校の意義を歪めるものとなってしまった。学生たちはそのことをきっかけにもう一度民族教育についての考えを深めていく。

日本学校に通い、民族教育を受けられなかった「隆之」は「僕は何度も想像した」と告白する。朝鮮学校に通い、当たり前のように朝鮮語を話し、朝鮮人として生きることに対する悩みすらない、そんな自身の姿を―。

「みんな気づかないけど、この教室で朝鮮人として育っていく。ねぇソンベ、民族教育は、朝鮮学校は驚異的だよ」。

演劇は過去と現在のシーンを交互に見せながら、青年たちが民族教育・朝鮮学校について理想を追い求め葛藤する姿を表現。ラストシーンでは多くの観客の涙を誘った。

手ごたえ語る出演者ら

「隆之」役を演じた金俊志さん(甲南大学1年)は「はじめは日本学校出身の『隆之』を理解するのに苦労したが、練習を通じて徐々に理解を深めた。今でも自分たちに対する差別は続いているということ、地道に活動することの大切さを深く感じることが出来た」と振り返った。

出演した留学同兵庫所属の同胞学生たちは、それぞれ手ごたえを語った

また、劇中の現在編に登場する学生「鮮心」役を演じた李麻耶さん(関西学院大学1年)は「演劇は、民族教育の本質を深く考えるきっかけとなった。ウリハッキョが今でも差別されているという現状と、そのような中でも民族教育の真の意義を追求し、継承していかねばならないということを伝えたかった」と述べた。

一方、公演には日本学校出身生も出演。サムルノリのステージでケンガリを演奏した金星華さん(神戸女子大学4年生)もその一人だ。金さんは初めてのケンガリの演奏について「叩き方で場の雰囲気が変わることや、感情をも表現できることを学んだ」と語りながら、「ただ音を出すだけではなく、チャンダンに込められている意味や感情について深く掘り下げることが、サムルノリの魅力だと感じた」と話した。

また、金さんはこれまでの留学同活動を振り返りながら「一年間留学同に参加して、在日朝鮮人の歴史や文化をたくさん学ぶことができた。これまでは自分の出自について他人事のように感じていた部分もあったが、在日朝鮮人としてどうあるべきか、考えを深めることができた。留学同活動を通して在日朝鮮人同士のつながりを作れたことも、とても嬉しかった」とほほを緩めた。

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