2021年度吹奏楽コンクール予選/各地で開催

《朝鮮新報』2021.07.29

ウリハッキョの名を胸に

2021年度吹奏楽コンクールの予選が各地で行われている。同コンクールは昨年度、新型コロナ蔓延防止の観点から中止になり2年ぶりの開催となった。予選には各地の朝鮮学校から6団体7校が参加。地域ごとのコンクール日程と演奏曲、吹奏楽部長たちの抱負を紹介する。【在日本朝鮮学生吹奏楽協議会】

東京中高

東京中高

「第61回東京都高等学校吹奏楽コンクール高等学校A部門」、8月12日

ー演奏曲について

「吹奏楽のための『エール・マーチ』」(宮下秀樹作曲、課題曲Ⅳ)

「エルザの大聖堂への行進」(R・ワーグナー作曲、自由曲)

課題曲は、この厳しい世のなかを共に頑張ろうという「エールを送りたい」気持ちを作品にした作曲家のエピソードを大切にし、元気を与える演奏を届けたい。

自由曲は東京中高吹奏楽部のライフワークとして取り組んでいる曲を選択した。

原点に戻って名作を表現したい。

ー主将のひとこと

「コンクールに参加できる喜びを噛み締め、一つ一つ丁寧に演奏したいです。全日本吹奏楽コンクール全国大会に出場した先輩たちの大きな成果を胸に、今年度も引き続きA編成に挑戦します。A編成に出るには人数が少なく厳しいですが、広島初中高が県大会を突破した前例もあるので弱音を吐かず全力で挑みたいです」(金知世主将)

神奈川中高

神奈川中高

「第22回 横浜吹奏楽コンクール 高等学校B部門」、7月26日※銀賞

ー演奏曲について

「風の時代〜Great Conjunction “Air Era”」(金殷真作曲、自由曲)など。自分らしさ(民族的アイデンティティ)という土壌の上に、新しいもの、異質のものとの融合を試みている。

ー主将のひとこと

「昨年は練習の成果を発揮できる機会を失い悔しさが残りましたが、今年は開催が決まり、私たち吹奏楽部は現在、全力で練習に励んでいます。人数は13人と決して多いわけではありませんが、実力を精一杯発揮し、金賞を受賞して同胞たちに感動を与えたいです」(李翔基主将)

京都中高

京都中高

「第58回京都府吹奏楽コンクール高等学校小編成の部」、8月6日

ー演奏曲について

「銀河の記憶(은하수의 기억)」(李相大作曲、2018年度オリジナル曲)

夜空をてらす星。時にその輝きは、暗く不安な夜道に一歩を踏み出す希望の光となる。私たちの社会も、この星空のように先代の弛まぬ努力によって輝いている。私たちはこの夜空の下、「いま」を生き、私とあなたの先を生きたひとびとの命を感じつつ、いつか私たちの今がまだ見ぬ明日を照らす幾多の星々になるのだと奮い立つ。

―主将のひとこと

「私たちは今までA部門でコンクールに出場してきましたが、今年は新たな挑戦としてB部門に出場し、関西大会出場を目標にしました。先輩たちが引退し、今年の高3は3人となりました。人数も少なくなりましたが、最後のコンクールを悔いなく終えるため、自分たちの音を奏でられるよう最後まで全力で突っ走ります」(李知樹主将)

大阪中高

大阪中高

「第60回大阪府吹奏楽コンクール中地区大会・高等学校小編成の部」、7月31日

ー演奏曲について

「鳳凰〜”ポンファン”高句麗に宿る神〜」(自由曲)

高句麗壁画に描かれた四神図の「朱雀」をモデルにした。「朱雀」は祖国の南方を守る火の鳥。大切な祖国を守る神をうたった曲を、祖国を想いながら心を込めて演奏する。

ー主将のひとこと

「大阪中高吹奏楽部は関西大会を目指し練習に励んでいます。本当にたくさんの先生方、OB、OGの先輩方に支えてもらっています。私たちは、チマ・チョゴリを着てコンクールに出場する意義、私たちにしか演奏できない音楽について日々考えながら練習に励んでいます。ウリハッキョの名を輝かせるために、感謝の気持ちと人々の心根に響く演奏をします」(文亜瑶主将)

神戸朝高

神戸朝高

「第68回兵庫県吹奏楽コンクール第44回神戸地区大会・高等学校小編成の部」、7月29日

ー演奏曲について

「響釗(ヒャンセ)の舞~願い~」(千守日作曲、自由曲)

在日同胞社会をより豊かなものにするための使命を果たそうとする朝高生たち、青年たちの熱い心を奏でる。

ー主将の一言

「たとえ大変な状況でも、私たちだからこそ奏でることが出来る音楽があると信じて日々練習に励んでいます。結果も大事ですが、曲の内容にもある通りこれからの同胞社会やウリハッキョの未来を担っていく世代としての使命感を持って演奏します」(孫凛奈主将)

九州中高・山口初中

九州中高、山口初中

「第66回北九州吹奏楽コンクール高等学校A部門 」、7月31日

ー演奏曲について

「吹奏楽のための『エール・マーチ』」(宮下秀樹作曲、課題曲Ⅳ)

「密陽アリラン」(自由曲)

慶尚道地域の代表的なアリラン。朝鮮民謡独自のチャンダンのリズムに乗って軽快に演奏する。

―主将のひとこと

「今年は、昨年度から合同練習をしている九州中高と山口初中が合同で出場します。新しい挑戦ですが、練習の成果を余すことなく発揮して、必ず金賞を受賞したいです。また、2校は今年創立65周年を迎えました。九州無償化裁判では上告が棄却されましたが、同胞、日本の友人たちは今日も必死に闘っています。吹奏楽部も共に闘います。コンクールでウリハッキョの名を轟かせるため、心を込めて演奏します」(九州中高・呉知柚主将)

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