漫画「手塚賞」で佳作/朝大教育学部美術科出身の金守謙さん

漫画「手塚賞」で佳作/朝大教育学部美術科出身の金守謙さん

《朝鮮新報》2022.01.28

金守謙さん

京都中高出身、朝鮮大学校教育学部美術科卒業生である金守謙さん(23)の漫画「ゴキげんよう ひさしブリ」が「第102回手塚賞」で「佳作」を受賞した。

「手塚賞」は「週刊少年ジャンプ」などの漫画雑誌を発行する集英社が1971年から実施している少年向けストーリー漫画の新人賞。「日本漫画界の登竜門」とも言われ、「ONE PIECE」の尾田栄一郎さん、「スラムダンク」の井上雄彦さんをはじめ著名な漫画家たちが審査員を務めている。「史上空前の大豊作回」とうたわれた今回の「手塚賞」では最優秀賞である「入選」作品はなく、「準入選」が過去最多の6作品、「佳作」は金さんの作品のみだった。

京都中高在学時から漫画を描き始めた金さんは朝大教育学部美術科に進学。卒業後、現在は京都芸術大学の通信教育を通じてデザインを学ぶかたわら、母校・京都第2初級で図工講師を務めている。

漫画家を志す金さんは「手塚賞」での入賞を目指し、3年前から応募を始めた。今回の受賞作は、「朝大在学時に構想を練っていたもので、修正を加えながら完成した作品だ」。

憧れの漫画家である「ドラゴンボール」の作者・鳥山明さんも審査員を務める「手塚賞」で「佳作」を受賞したことは「人生で一番嬉しかった」と喜びを表した。また、京都第2初級の児童たちが受賞を祝してサプライズで祝賀会を開いてくれたことも嬉しかったと話す。

「準入選」作品から与えられる誌面への掲載は惜しくも叶わなかったが、現在、集英社が発行する少年・青年向けコミック誌の掲載に向け、次なる漫画を描いている。

金さんは「受賞作より面白い作品を描いている。同胞たちをはじめ応援してくれる人の目に留まるような漫画を描きたい」と力を込めた。

(全基一)

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